<第72回読書会活動記録>
| 開催日 | 2026年2月18日 |
|---|---|
| 課題図書 | センスの哲学 |
| 著者名 | 千葉雅也 |
| 出版社 | 文藝春秋 |
概要(Amazonから引用)
服選びや食事の店選び、インテリアのレイアウトや仕事の筋まで、さまざまなジャンルについて言われる「センスがいい」「悪い」という言葉。あるいは、「あの人はアートがわかる」「音楽がわかる」という芸術的センスを捉えた発言。 何か自分の体質について言われているようで、どうにもできない部分に関わっているようで、気になって仕方がない。このいわく言い難い、因数分解の難しい「センス」とは何か? 果たしてセンスの良さは変えられるのか? 音楽、絵画、小説、映画……芸術的諸ジャンルを横断しながら考える「センスの哲学」にして、芸術入門の書。 フォーマリスト的に形を捉え、そのリズムを楽しむために。 哲学・思想と小説・美術の両輪で活躍する著者による哲学三部作(『勉強の哲学』『現代思想入門』)の最終作、満を持していよいよ誕生!
2026年2月18日に第72回読書会を開催しました。今回の課題図書は『センスの哲学(著:千葉雅也)』です。
開催記録として、参加者からの感想コメントを一部抜粋して掲載いたします。
ストーリーや正解(意味)を追い求めるのをあえて半分に抑え、カット割りや色彩の対比、あるいはラーメン二郎の「盛り」といった、配置が生む「リズム」に注目すること。物事を善し悪しで判定する前に、その「うねり」を構造として捉える姿勢は、ビジネスにおける複雑な状況を冷静に俯瞰する力にも繋がると思いました。
誰もがAIで「正解(70点)」を出せる時代だからこそ、モデルの再現から降り、予想を裏切る不確実性や「外し(アンチセンス)」を取り入れること。その「人間らしいバグ」こそが、機械には到達できない真のセンスであり、これからの時代の「楽しさ(享楽)」の源泉になると感じます。
センスを言語化することの矛盾に挑み、微細な差異を言葉ですくい取ろうとする著者の試み。それが「読んだからといって良くなるわけではない」という逆説を生みますが、その「わからなさ」と格闘し、自分の中にだけ響く「小意味」を見つけ出すプロセスそのものが、感性を研ぎ澄ます最高のエクササイズでした。
ブラジル音楽の「悲しみの中の喜び」や、整理整頓の中の「偶然の重なり」を面白がる感覚。完璧な調和よりも、少しのズレや凸凹に心地よさを見出す。この「文化や文脈による心地よさの定義の違い」を知ることで、他者の感性や多様な価値観をより深く、構造的に受け入れる余裕が生まれました。
美術への苦手意識や、意味不明な映画への困惑も、「ヘタウマ」や「構造的感動」という視点を持てば、新しい楽しみ方に変わります。業務上の数字の羅列さえも、0と1のリズムとして面白がる。この「脱意味化」の視点を持つことで、退屈な日常が遊び場へと変わっていくと思いました。
DPパートナーズでは、「多様性の広がり」と「コミュニケーション」を目的に毎月読書会イベントを開催しております。 2020年3月から始まったこの取り組みも累計76回を超えました。 日々AIが進化して人間の仕事を代替していく時代だからこそ、読書という物理的な知的作業を通じて、「自分の頭で考えること」「自分の言葉でアウトプットする活動」を大切にしていきたいと考えております。
